38話 初めての海

小さいころは、よく家族で旅行していたこともありました。

川や海、自然に囲まれての遊びはとても楽しかったです。


でも、小学校に上がってプールに入るまでは、私は泳げなかったんです。

泳げる姉は浮き輪を付けていたので、随分離れたところで浮かんで海を楽しんでいました。

浮き輪は、一つしかなくて私はいいなと眺めるばかり。


泳げなかったから、見てただけだったので 大人でも底が深くて立つこともできない海に 父が、ほら見ててやるから せっかくだ 入りなさいと促され入りました。


案の定、溺れました。



父は笑うばかりで助けてはくれません。

そればかりか、5歳になる自分の子供の頭をすっぽりと大きな手で押さえて海に沈めてきました。


それはもう楽しそうに。



初めて家族で海に行った忘れることができない思い出です。

もちろん、良い思い出でも何でもありません。



普通なら、トラウマものです。


思い出すのも苦痛でしょう。

じゃあ、なんでこうして漫画に細かく描ける神経を今持っているのか


それは、この記憶が、今までされた事の氷山の一角に過ぎないからで、このエピソード一つであれば私にはありふれた内容で心が麻痺しているからです。


あと、自分自身のメンタルケアの賜物ですね。

私は精神科医にも学校のカウンセリングにも話を聞いてもらったことはありません。



私には、それが日常だったから、よくある一般家庭の普通のことだと思っていたので。

他の人と少し違うのは、日本と台湾のハーフだってことくらいだと思ってました。




ああ、そうそう何年かして姉にこの時の事を覚えているかって聞いたんです。

そしたら



姉:「ああ!あの時お前、死ななかったよな!!そのまま死ねば良かったのにあはははh!!」






一生忘れねーぞ。

その時から、お前も一生涯 敵だからな。