56話 知らなかったんかいっ

ハタチ過ぎて、しばらくした時の頃

母も引っ越しと転職を繰り返して 落ちついてきたし 私も精神的に余裕が持てるようになってきたので もう昔の事だし 今まで気になったこと聞いてみようと母に声をかけてみました。


聞いてみるもんですね。


まさか、何もかも知らなかったとか・・・。



家族間での会話はたまにしてるけど、大事な話は全くしてないなーと思ってはいたけど!!


私が思う大事な話っていうのは、今後の生活についてどうするのか、万が一の時にはどうするのか、父と母では文化の違いがあるが礼儀や作法はどうやるのか、子育てについてはどうしていくか 等々。


全くそういった内容が会話に出ないので、不安ではありましたけども!!



知らないってなんだ。


そんだけ興味ないってことだよな。


うん、薄々は気づいていた。それだけ、母は一生懸命働いていたし 自分の事で手一杯だったと思う。いつでもお腹減ってて、ロウソクも食べる自分の子供がおかしいと思うことや、他にも気づける部分が多大にあったのにも関わらず(ずっと障害がある子だと思われてて検査しても問題が無いと出るから不思議がられてたけど)母は異国の地で働きつつ生きることは精一杯だったと思う。



けれど、それを笑い飛ばすってのは酷いもんだなぁ。

子育てに対する思いやりや、話を聞いたうえでの罪悪感は無くてどーでも良いってことだもんなぁ。



ああ、それだけ大雑把な性格なんだよと言われればそれまでか。

しっかし、どう聞いても子供の頃から 愛情は感じないんだよなぁ。



彼女が生きることに精一杯だったとして、産んだ子供を育児放棄していい理由にはならないと思うし、劣悪な環境に置くくらいなら 捨てて欲しかった。

そのほうが、よっぽどいい暮らしができるし恵まれてる。


下手に生かさず殺さずだったから、辛かったなぁ。


警察に行っても、裕福な家庭(笑)だったからいくらゴミの中で暮らしてる家だったとしても連れ戻される可能性高そうだったし、犯罪起こして少年院入るにしたって将来の事を考えるとそれは得策じゃないと思うし・・・。


あー なんで子供なのに私こんなこと考えなきゃいけないんだろー!

とかあの手この手でもがいてきます。